@IDX:11500
@OFF:0xeb
@SPK:
@JPN:　………………。
@ENG:

@IDX:11501
@OFF:0x11d
@SPK:
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:11502
@OFF:0x14b
@SPK:
@JPN:　……。
@ENG:

@IDX:11503
@OFF:0x173
@SPK:
@JPN:　寝返りを打った足が何かを引っかける。
@ENG:

@IDX:11504
@OFF:0x1a7
@SPK:
@JPN:　ギチッと音がしたと思うと、バサッと何かが俺の上　に降ってきた。
@ENG:

@IDX:11505
@OFF:0x209
@SPK:
@JPN:　なんだ？　俺の安眠を妨げるのは？
@ENG:

@IDX:11506
@OFF:0x2ab
@SPK:
@JPN:　ゆっくりと開いた瞳に映ったのは、俺をすっぽりと　覆いつくしている蚊帳だった。
@ENG:

@IDX:11507
@OFF:0x307
@SPK:
@JPN:　もともと天井から吊るしてあったそれは、いまや、　単なる薄いかけ布団と化していた。
@ENG:

@IDX:11508
@OFF:0x373
@SPK:
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:11509
@OFF:0x38d
@SPK:
@JPN:　もういい。今日はもう起きよう。
@ENG:

@IDX:11510
@OFF:0x3bb
@SPK:
@JPN:　時計を見ると、午前６時。
@ENG:

@IDX:11511
@OFF:0x3e3
@SPK:
@JPN:　バイトの時間まではまだだいぶある。
@ENG:

@IDX:11512
@OFF:0x415
@SPK:
@JPN:　開けっ放しの窓から身を乗り出して、朝の空気を胸　いっぱいに吸い込む。
@ENG:

@IDX:11513
@OFF:0x469
@SPK:
@JPN:　まだ夏の日差しに焼かれる前の大気は、俺の中身を　爽快さで満たしてくれた。
@ENG:

@IDX:11514
@OFF:0x4d3
@SPK:
@JPN:　……そう、開けっ放しの窓。
@ENG:

@IDX:11515
@OFF:0x4fd
@SPK:
@JPN:　結局クーラーはすぐには直してもらえなかった。
@ENG:

@IDX:11516
@OFF:0x539
@SPK:
@JPN:　事務局の華、真田さん曰く。
@ENG:

@IDX:11518
@OFF:0x6b1
@SPK:［美和子］
@JPN:　今日は我慢して、そのうち何とかするから。
@ENG:

@IDX:11519
@OFF:0x7ac
@SPK:
@JPN:　……だそうだ。
@ENG:

@IDX:11520
@OFF:0x7ca
@SPK:
@JPN:　ロハで、この部屋を病院から借りている身としては　逆らえるはずもない。
@ENG:

@IDX:11521
@OFF:0x81e
@SPK:
@JPN:　だが、一つそこで問題が生じた。
@ENG:

@IDX:11522
@OFF:0x84c
@SPK:
@JPN:　ここは郊外だから、窓を開けて風を入れれば、そこ　そこには涼しい。
@ENG:

@IDX:11523
@OFF:0x89c
@SPK:
@JPN:　しかし、俺の部屋にはアレがなかったのだ。
@ENG:

@IDX:11524
@OFF:0x8d4
@SPK:
@JPN:　窓を開け放つために重要なアレ。
@ENG:

@IDX:11525
@OFF:0x902
@SPK:
@JPN:　網戸がついていないのだ。
@ENG:

@IDX:11527
@OFF:0xa78
@SPK:［美和子］
@JPN:　分かったわ。じゃあ、アレを貸してあげる。
@ENG:

@IDX:11528
@OFF:0xb79
@SPK:
@JPN:　真田さんは俺のために、わざわざ倉庫からコレを探　してきてくれた。
@ENG:

@IDX:11529
@OFF:0xbc9
@SPK:
@JPN:　コレとはすなわち……蚊帳のことである。
@ENG:

@IDX:11530
@OFF:0xc2f
@SPK:
@JPN:　おっ、来たな。
@ENG:

@IDX:11531
@OFF:0xc4d
@SPK:
@JPN:　もうだんだん慣れっこになってきたぞ。
@ENG:

@IDX:11532
@OFF:0xc81
@SPK:
@JPN:　さて、今日はいったい何が書き込まれてるんだ？
@ENG:

@IDX:11533
@OFF:0xcd1
@SPK:
@JPN:　　　　　　　『ハードボイルド』
@ENG:

@IDX:11534
@OFF:0xd11
@SPK:
@JPN:　おお！　なんだか今日はかっこよさそうだぞ。
@ENG:

@IDX:11535
@OFF:0xd4b
@SPK:
@JPN:　こんなのなら、試してみても良さそうだな。
@ENG:

@IDX:11536
@OFF:0xd95
@SPK:
@JPN:　まあ、俺の取れる行動はそれほど多くない。
@ENG:

@IDX:11537
@OFF:0xdcd
@SPK:
@JPN:　今日はどうするんだ？
@ENG:

@IDX:11538
@OFF:0xe05
@SPK:
@JPN:ハードボイルドに決めてみる
@ENG:

@IDX:11539
@OFF:0xe26
@SPK:
@JPN:そんなの無視して暑いからシャワーを浴びる
@ENG:

@IDX:11540
@OFF:0xe89
@SPK:
@JPN:　そうだな。
@ENG:

@IDX:11541
@OFF:0xea3
@SPK:
@JPN:　俺にはハードボイルドが似合いそうだ。
@ENG:

@IDX:11542
@OFF:0xed7
@SPK:
@JPN:　問題は、創造主がそこまで書けるかどうかってこと　だが……。
@ENG:

@IDX:11543
@OFF:0xf33
@SPK:
@JPN:　いてててて……わ、分かったよ、お前の批判はしな　いよ。
@ENG:

@IDX:11544
@OFF:0xf79
@SPK:
@JPN:　まあ、とりあえず頑張ってみてくれ。
@ENG:

@IDX:11545
@OFF:0xfab
@SPK:
@JPN:　俺はこのメモを破るだけさ。
@ENG:

@IDX:11546
@OFF:0xff5
@SPK:
@JPN:　さて、これで俺もハードボイルドだ。
@ENG:

@IDX:11547
@OFF:0x1027
@SPK:
@JPN:　紫煙をくゆらして、事件解決一直線。
@ENG:

@IDX:11548
@OFF:0x1059
@SPK:
@JPN:　……って、事件なんかどこで起きるんだ？
@ENG:

@IDX:11549
@OFF:0x1102
@SPK:
@JPN:　おっ、それっぽくなってきたぞ。
@ENG:

@IDX:11550
@OFF:0x1130
@SPK:
@JPN:　これが可能性の世界への扉だな。
@ENG:

@IDX:11551
@OFF:0x115e
@SPK:
@JPN:　……なんだか……眠くなってきた。
@ENG:

@IDX:11552
@OFF:0x11a0
@SPK:
@JPN:　いいのか、これで眠ればいいのか？
@ENG:

@IDX:11553
@OFF:0x11d0
@SPK:
@JPN:　……それで……ハード……ボイ、ル……。
@ENG:

@IDX:11554
@OFF:0x126c
@SPK:
@JPN:　そうだな。
@ENG:

@IDX:11555
@OFF:0x1286
@SPK:
@JPN:　寝汗を流してすっきりするか。
@ENG:

@IDX:11556
@OFF:0x12b2
@SPK:
@JPN:　この時間なら、それから出かける用意をしても平気　だろう。
@ENG:

